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文書全文
子どもの家庭養育推進官民協議会の設立にあたり
会長 鈴木 英敬(三重県知事)
平成28年4月4日(養子の日)に、『子どもの家庭養育推進官民協議会』を設立しました。本協議会は、自治体と民間団体が連携して、子どもの最善の利益の実現のため、家庭分離の予防や養子縁組、里親委託の推進などに取り組む全国初の団体で、自治体は20団体(県11、市9)、民間団体は全国里親会など13団体、計33団体が参加しています。
現在、日本には親の養育困難や病気、虐待などで、実親と一緒に暮らせない子どもが全国で約4万人います。そのうち、里親やファミリーホームの家庭で暮らす子どもは約15%にとどまっています。児童養護施設や乳児院なども社会的養護の重要な役割を担っていますが、子どもたちにとって特定の大人から愛情を持って育てられることは、安心感や自己肯定感を育むとともに、家庭生活における人間関係を学ぶことにつながると言われています。しかし、日本においては、養子縁組や里親委託への取組、実親家庭からの分離の予防、家族再統合のための実親家庭への支援などが十分とはいえません。このような現状を受け、都道府県、政令市、市町村などの枠を超えて自治体経営の現場から世の中を変えていくことを目指した、有志の首長からなる『G1首長ネットワーク』の参加団体がベースとなり、民間団体も加え、本協議会を立ち上げました。
本協議会は、(1)社会的養護においては、養子縁組・里親委託をはじめとする家庭養護の提供を優先的に進めること、(2)実親への支援により、家族分離の予防・家族再構築を促すこと、(3)その他広く困難な状況にある子どもへの支援や子どもの貧困対策を進めること、をめざし活動をしています。具体的な取組としては、①官と民のネットワークの形成、②里親制度や養子縁組の普及・啓発、③参加団体による研修や勉強会の実施、④里親制度や養子縁組に関する調査・研究、⑤国への政策提言などです。
平成28年9月には、日本財団ソーシャルイノベーションファーラム分科会にて『社会で子どもを育む~里親・特別養子縁組や子どもの貧困を知っていますか~』というテーマで里親制度の普及啓発を行いました。また、改正児童福祉法が公布されたのを受けて、11月に特別養子縁組に関わる緊急提言を厚生労働大臣に提出するとともに、厚生労働省が行っている『新たな社会的養育の在り方に関する検討会』及び『児童虐待における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会』にも提出したところです。
今後も、官民が力を合わせて、子どもたちが日本のどこで生まれ、育とうとも、あたたかく幸せな家庭に守られ、全ての子どもが自らの可能性を最大限発揮できるような社会を目指して取り組んでいきたいと思います。
*子どもの家庭養育推進官民協議会では、活動内容をホームページで紹介しております。ぜひ、ご覧ください。HP:http://kateiyoiku.linea.tokyo/